咳・発熱の原因を“その場で特定”

最新の多項目PCR検査システム「SpotFire」を導入しました
【Summary】
- 当院では、**最新の多項目同時PCR検査システム「SpotFire(スポットファイア)」**を導入しました。
- 1回の検査で最大15種類の感染症を約20分で同時に判定できます。
- インフルエンザ、新型コロナウイルスに加え、RSウイルス、百日咳、マイコプラズマなど、咳や発熱の原因となる代表的な感染症を一度に調べられます。
- その日の診察中に結果が分かり、迅速で正確な診断・治療が可能になりました。
- 「どの病気か分からない」という不安を、短時間で解消できる新しい検査です。
■ 1回の検査で15種類の感染症を同時判定
従来のPCR検査では、特定の感染症ごとに個別検査を行う必要があり、結果が出るまで時間がかかることもありました。
SpotFireでは、1回の検査で最大15種類の病原体を同時に解析でき、
検体投入から約20分で結果が判明します。
そのため、診察当日に「どの感染症か」を判断し、
適切な治療をすぐに開始することが可能になりました。
■ 検査できる感染症とその特徴
以下の感染症を1回の検査で同時に調べることができます。
分類 | 感染症名 | 主な症状の特徴 |
---|---|---|
ウイルス(11種) | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) | 発熱、咳、味覚・嗅覚異常 |
季節性コロナウイルス(229E、OC43、NL63、HKU1など) | 軽い発熱や咳などのかぜ症状 | |
インフルエンザA | 高熱、関節痛、倦怠感 | |
インフルエンザA/H1-2009 | 急な発熱、頭痛、咳、筋肉痛 | |
インフルエンザA/H3 | 発熱、全身倦怠感、咳、鼻水 | |
インフルエンザB | 発熱、のどの痛み、倦怠感 | |
RSウイルス | 乳幼児の呼吸困難、ゼーゼー(喘鳴) | |
アデノウイルス | 高熱、咽頭痛、結膜炎(咽頭結膜熱) | |
ヒトメタニューモウイルス | 咳、鼻水、発熱(インフルエンザ様症状) | |
ヒトライノウイルス/エンテロウイルス | 鼻水、くしゃみ、喉の痛み | |
パラインフルエンザウイルス(1〜4型) | 咳、声枯れ、クループ症状(小児) | |
細菌(4種) | 百日咳菌(Bordetella pertussis) | 長く続く咳、夜間の激しい咳き込み |
パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis) | 百日咳より軽いが長引く咳 | |
マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae) | 乾いた咳、発熱、倦怠感 | |
クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae) | 微熱、咳、ゆっくり進行する呼吸器症状 |
※感染症流行状況により、検査パネル内容は一部変更される場合があります。
■ SpotFire検査のメリット
- 1回で15種類の感染症をまとめて判定
- 検査時間は約20分 ― 当日の診療で結果説明が可能
- 高感度・高精度なPCR法で、見逃しを最小限に
- 百日咳・マイコプラズマなど需要の高い検査に対応
- 適切な抗菌薬の選択・不要な投薬の回避につながる
■ よくある質問(Q&A)
Q1. SpotFire検査とはどのような検査ですか?
A. のどや鼻から綿棒で検体を採取し、15種類の感染症を同時に調べる最新型PCR検査です。
Q2. 検査結果はどのくらいで分かりますか?
A. 検体投入から約20分で結果が出ます。当日中に結果をご説明できます。
Q3. 子どもでも検査できますか?
A. はい。当院では小学生以上の方に受けていただくことが可能です。
短時間で行える鼻・のどのスワブ検査で、特に小児に多いRSウイルスや百日咳、マイコプラズマなどの診断に有効です。
Q4. どんなときに受けたほうがいいですか?
A. 咳や発熱が長引く場合、インフルエンザやマイコプラズマなどが疑われるとき、原因が分からない呼吸器症状があるときにおすすめです。
■ まとめ
咳や発熱が続くと、「どの病気なのか分からない」という不安が大きくなります。
当院では、SpotFire による多項目同時PCR検査を導入し、
より迅速で正確な診断・治療を実現できる体制を整えました。
原因を“その場で特定”し、
患者さまが一日でも早く安心できるよう、今後も最善の医療を提供してまいります。