膝痛・腰痛が治らない原因は体重かも?肥満と関節痛の関係
【要点】
・肥満は膝や腰などの痛みを悪化させる大きな要因です
・原因は「体重による負担」だけでなく「慢性炎症」も関与しています
・痛み→運動不足→肥満→さらに痛み、という悪循環が起こります
・体重を5〜10%程度減らすだけでも症状改善が期待できます
・運動が難しい方にはメディカルダイエットという選択肢もあります
肥満が痛みを引き起こす理由
① 関節への物理的負担
体重が増えると、それだけ関節にかかる負担も増えます。
特に膝関節では、体重が1kg増えると歩行時には膝にかかる負担が約3〜5kg増えるとされています。
さらに歩行時には体重の2〜3倍、階段の昇降時には体重の6〜7倍もの負荷が膝にかかるため、肥満は膝痛や腰痛の大きな原因になります。
逆に言えば、体重を減らすことで関節への負担も軽減できる可能性があります。
② 脂肪による「慢性炎症」
脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。
脂肪組織からは炎症に関与する物質(アディポサイトカイン)が分泌されており、肥満の状態では体内で慢性的な炎症が起こりやすくなります。
その結果、関節や神経周囲の痛みが長引いたり、症状が悪化したりすることがあります。
③ 筋力低下と活動量低下
肥満になると運動量が減りやすく、筋力も低下しやすくなります。
その結果、
・関節を支える筋肉が弱くなる
・関節への負担がさらに増える
・痛みが強くなる
・さらに動かなくなる
という悪循環に陥ってしまいます。特に膝痛や腰痛がある方では、この悪循環が続くことで症状が慢性化することがあります。
肥満と関連する主な痛み
・変形性膝関節症
・慢性腰痛
・変形性腰椎症
・腰部脊柱管狭窄症
・股関節痛
・足底腱膜炎
肥満はこれらの疾患の重要なリスク因子とされています。
「注射をしてもすぐに再発する」
「痛み止めを飲んでもなかなか改善しない」
という場合には、体重が症状に影響している可能性も考える必要があります。
治療・対策の考え方
① 体重管理
体重を減らすことで、関節への負担を直接軽減することができます。
研究では、体重の5〜10%程度の減量でも膝痛の改善が期待できることが報告されています。
例えば体重80kgの方であれば、4〜8kg程度の減量が一つの目安になります。
② 運動療法
・ウォーキング
・水中運動
・自転車運動
・筋力トレーニング(特に大腿四頭筋)
適切な運動は痛みの改善や再発予防に役立ちます。
ただし、痛みが強い状態では運動自体が難しいこともあります。
③ 薬物療法・注射治療
・鎮痛薬
・関節内注射
・神経ブロック
・PRP療法(自由診療)
痛みをコントロールしながら運動や体重管理につなげることが重要です。
当院では、神経ブロックやPRP療法などを用いて、痛みに対する治療を行っています。
④ メディカルダイエット(必要に応じて)
近年はウゴービ®やゼップバウンド®などの肥満治療薬を用いたメディカルダイエットが注目されています。
これらの治療は食欲を抑えながら減量をサポートする治療法です。
膝痛や腰痛で悩んでいる方の中には、
・痛みのため運動ができない
・ダイエットが続かない
・何度もリバウンドしている
という方も少なくありません。
このような場合、痛みの治療と並行して体重管理を行うことで、症状改善につながる可能性があります。
当院ではウゴービ®やゼップバウンド®を用いたメディカルダイエットも行っています
Q&A
Q. 体重はどのくらい減らせば効果がありますか?
A. 個人差はありますが、体重の5%程度の減量でも痛みの改善が期待できます。
例えば体重80kgの方なら約4kgの減量が目安です。
大幅な減量でなくても効果が期待できることがポイントです。
Q. 痛みがあるのに運動して大丈夫ですか?
A. 内容を選べば問題ありません。
むしろ適度な運動は痛み改善に有効です。
・水中運動
・自転車運動
・軽い筋力トレーニング
など、関節への負担が少ない運動から始めることをおすすめします。
Q. 痛み止めだけではダメですか?
A. 一時的に症状を和らげることはできますが、それだけでは根本的な解決にならない場合があります。
肥満が症状に関与している場合は、体重管理と運動療法を組み合わせることが重要です。
痛みを抑えて動きやすい状態を作り、その間に体重管理を進めていくことが理想的です。
Q. 痩せれば必ず痛みは良くなりますか?
A. 多くの方で改善が期待できますが、関節の変形が進行している場合などは十分な改善が得られないこともあります。
そのため、症状が軽いうちから体重管理に取り組むことが大切です。
Q. 運動できないのですが痩せられますか?
A. 膝痛や腰痛が強い方では、運動による減量が難しいことも少なくありません。
近年はウゴービ®やゼップバウンド®などを用いたメディカルダイエットという選択肢もあります。
痛みの治療と並行して体重管理を行うことで、運動しやすい状態を目指すことができます。
まとめ
肥満と痛みは切り離せない関係にあり、
「痛み → 運動不足 → 体重増加 → さらに痛み」
という悪循環に陥ることがあります。
一方で、体重管理によって膝痛や腰痛の改善が期待できることも分かっています。
「痩せたいけれど運動できない」
「膝痛や腰痛があるためダイエットが続かない」
そのようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。
当院では神経ブロックなどによる疼痛治療に加え、ウゴービ®やゼップバウンド®を用いたメディカルダイエットも行っています。
痛みと体重、両方のお悩みがある方はお気軽にご相談ください。